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遺産の分割
👉遺言がない相続の場合、相続人が財産を調べてどのように分けるかを話し合う必要があります。
被相続人の財産は相続が発生すると、原則相続人の共有となります。
この共有状態を解消する手続きが「遺産分割協議」です。
この協議によって、共有の財産は相続人個々の所有物となります。
遺産分割協議は法定相続人によって行われますが、注意しないといけないのは被相続人の前妻との子や生前に認知した子にも遺産分割協議に参加する権利があることです。
これらの人が除かれた協議は法律的に無効となりますので、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を調べて相続人を確定させる必要があります。
👉遺産分割の種類には「現物分割」「代償分割」「換価分割」の3つがあります。
遺言書があれば遺言内容に従って遺産分割を行いますが、ない場合は相続人どうしの話し合いとなります。
一番多いのが現物分割です。
例えば自宅は長男に、預貯金は次男にといった分け方です。
ところが、この場合に自宅の評価と預貯金がほぼ同じであれば問題ありませんが、自宅の評価が1億円で、預貯金が1,000万円というバランスの取れていないケースでは、兄弟間で不公平が生じます。
この不公平を解消させる方法として代償分割があります。
多くの財産をもらった相続人が、その代わりに現金等の資産をほかの相続人に渡してバランスを取ります。
先ほどの例では、長男が次男に3,000万円から4,000万円の現金を渡すなどが考えられます。
もう一つの換価分割は遺産を売却して現金にして分ける方法です。
👉相続人全員の合意があれば、遺言の内容と異なる遺産分割協議も有効です。
法定相続分と異なる分割はできるのか?
👉法定相続分は、あくまでも遺産分割協議で争いが生じた場合に、法律で分け方の基準を示したものにすぎません。
相続人全員の合意があれば、法定相続分と異なる遺産分割も有効です。
👉相続人となる子が未成年(20歳未満)の場合は注意が必要です。
一般には子供が未成年の場合はその親が法定代理人となって法律行為を行いますが、未成年者の法定代理人であり、自ら相続人でもある親が子供に代わり遺産分割協議に参加すると、親が故意に取り分を増やすなどの「利益相反」の関係となり、子供に不利益が生じる恐れがあります。
そこで、このような場合に親は家庭裁判所に「特別代理人」の選任を申立て、その特別代理人が協議に参加することになります。
👉相続人が認知症などで判断能力が低下している場合、「成年後見制度」を利用します。
成年後見制度には判断能力の程度により「後見」「保佐」「補助」の型があり、その保護者となる「後見人」「保佐人」「補助人」が相続人に代わり協議に参加することになります。
成年後見人自体が遺産分割協議に参加する者である場合は、利益相反となりますので、家庭裁判所に特別代理人を選任してもらいます。
👉法定相続人の一部に行方不明になって7年以上経過していない行方不明の者(不在者)がいる場合、「不在者財産管理人」の選任を家庭裁判所に申立て、不在者の財産管理人に遺産分割協議に参加してもらう必要があります。
生死不明の状態が7年以上経過している場合には、「失踪宣告」の審判を受けることで、その行方不明者は法律上、死亡したものとみなされます。
選任された不在者財産管理人は、不在者の財産を管理、保存するほか、家庭裁判所の「権限外行為許可」を得たうえで、不在者に代わって遺産分割や不動産の売却等を行うことができます。
👉遺産分割で重要なのはそれぞれの相続人が置かれている状況を考慮することです。
相続人の状況は様々で、被相続人から生前にマイホーム購入費用を負担してもらった者、亡くなった被相続人と同居していて介護など身の回りの世話をよくしていた者、障がいを持つ子、離婚して子供を連れて戻ってきた娘など、まずは相続人同士がお互いの状況をよく理解した上で、具体的な分配の仕方を考えることが大切です。
被相続人から生前にマイホーム購入費用の多額な支援を受けた者は、他の相続人から指摘される前にそれを名言するのが望ましく、被相続人と同居して介護などの世話をよくしていた相続人にはその貢献を遺産分割に反映させる、障がいをもつ子には生活に困らないだけの財産は得られるよう配慮する必要があるでしょう。
👉原則、一旦相続人が遺産分割協議書に同意して署名捺印すると、遺産分割協議は終了してやり直しはできません。
但し、終了した遺産分割協議が法律的に無効だったり、全ての相続人が合意している場合は、協議を取消しや解除してやり直すことができます。
1 無効となる場合
・本来、遺産分割協議に参加すべき法定相続人が除外されていた場合
例として、被相続人が認知している隠し子がいて、その者の同意を得ずに遺産分割協議を行ったような場合があります。
・相続人でない人を加えて遺産分割をした場合
・詐欺や強迫によるなど意思表示に問題がある場合
・錯誤あった場合
遺言書があったにもかかわらず、相続人がこれを知らずに遺産分割協議をしてしまったような場合です。
2 相続人の合意による場合
・すでに相続登記がされている場合でも、その相続登記を抹消した上で、新しい遺産分割協議書を添付して登記できます。
・一度有効に遺産分割を行った後に協議をやり直した場合は、贈与税がかかることがあります。
👉遺産分割協議書は協議の内容を記載した文書です。
どのような内容で合意したのか明らかにしておかないと後でトラブルになる恐れがあります。
正確に作成された遺産分割協議書は一種の契約書のような性質を持ち、対外的にも協議の内容を証明することになるので、法務局や金融機関での名義変更などをスムーズに行うことが可能となります。
👉以下のケースで遺産分割協議が調った場合の作成例です。
被相続人:香川 一郎
相続人 :香川桜子(香川太郎の同居の妻)
香川太郎(香川太郎の同居の子)
徳島花子(香川太郎の子)
相続財産:土地建物、銀行普通預金、ゆうちょ銀行普通貯金・定額貯金
遺産分割協議書
共同相続人である私達は、次の相続について、下記のとおり遺産分割の協議をした。
被相続人の最後の本籍 香川県三豊市〇〇町123番地
記
1.相続財産中、次の不動産については、香川桜子が相続する。
②所 在 香川県三豊市〇〇町 123番地
2.相続財産中、次の金融資産については、香川太郎が相続する。 ①さぬき銀行 〇〇支店 普通預金 0123456
3.相続財産中、次の金融資産については、徳島花子が相続する。 ①ゆうちょ銀行 通常貯金 1234-1234567
4.被相続人 香川一郎と所有権登記名義人 香川一郎は同一人物に相違ないことを確認した。
以上の協議を証するため、この協議書を作成し、各自署名押印のうえ、各1通を保有するものとする。
令和元年 〇月 〇日
住 所 香川県三豊市〇〇町123番地 署 名 香川 桜子 印
住 所 香川県三豊市〇〇町123番地 署 名 香川 太郎 印
住 所 徳島県徳島市〇〇町567番地 署 名 徳島 花子 印
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👉遺産分割協議書には次の事項を記載します。ポイントは財産が特定できるように十分な情報を盛り込むことです。
・被相続人の最後の住所、最後の本籍
・被相続人の死亡日(相続開始日)
・相続人全員で協議をした旨
・どの財産をだれが相続するかの明記
「不動産」登記簿上に記載されている表記で特定
「金融資産」金融機関名、支店名、口座番号、取引番号など
✔トラブルの防止
苦労して遺産分割の協議が調っても、協議内容を記した遺産分割協議書を作成していないと、「合意した覚えはない」などと一部の相続人が言い出しかねません。
遺産分割協議書はそのような相続人の言動を牽制することもできますし、そもそもその相続人も書面に署名押印していますので勝手な言動は通用しなくなります。
✔第三者への証明
単なる合意だけでは当事者だけしかその内容が分かりませんし、説明があったとしても真偽が不明確です。相続人全員が署名押印した遺産分割協議書を作成することにより対外的に証明が可能です。
✔協議内容の正確な保存
預貯金や株式、自動車、土地、建物など多くの遺産があり相続人も多数で、だれがどの遺産を相続するのか複雑になっている場合、人の記憶だけでは頼りになりません。正確な文書にして保存する必要があります。
✔遺言がないとき
遺言によってすべての遺産の相続人や受遺者の指定があれば、その内容に従い遺産が相続されますが,遺言がないときは遺産の相続方法が指定されていませんので、相続人が遺産分割協議を行って協議書を作成する必要があります。
✔遺言で一部の相続財産しか指定されていないとき
遺言があっても一部の相続財産についての処分方法しか指定されていない場合には、残りの財産については相続人が遺産分割協議を行って協議書を作成する必要があります。
✔全相続人合意のもと遺言書とは異なる分割方法を定めるとき
遺言によって遺産の相続方法が指定されている場合であっても、被相続人が遺言と異なる遺産分割協議を禁止していない、全ての相続人と受遺者の合意がある、遺言執行者の同意がありかつ、遺言執行を妨げないなどの条件を満たせば、遺言の指定とは異なる分割方法を定めることも可能です。
その場合には、相続人による遺産分割協議と協議書の作成が必要になってきます。
✔罰則はありません。
遺産分割協議書を作成をしなくても罰則はありません。
✔誰かに遺産を勝手に処分されるおそれがあります。
自分の知らない間に不動産が賃貸されて第三者が勝手に収益を得たり、第三者の借金の担保として抵当権が設定されることがあります。
✔身内同士のトラブルがいつまでも終わらない。
遺産分割協議書がないことで、相続人は自己の都合ばかりの主張を続けて、長期間のトラブルに発展してしまいます。
✔相続税が高額になることがあります。
遺産の評価額によっては相続税が発生しますが、相続税にはいろいろな控除制度があります。
ただし、控除を受けるには遺産分割協議書を添付して相続税の申告をしなければならないとされていることが多く、遺産分割協議書がない場合、そうした相続税控除が受けられず相続税が高額になってしまいます。
✔遺産分割協議は相続人全員で行わなければ効力がありません。
間違えのないように戸籍を調査してください。
遺産分割協議は全員が揃ってすることまでは要求されていませんが、他の相続人が内容を確認のうえ、実印を押印する方法がとられています。
✔法定相続人全員が署名と捺印をします。
厳密には署名でなく記名でも構いませんが、後々のトラブルを防ぐためにも署名が望ましいです。
「署名」とは本人が自筆で氏名を手書きすることです。
「記名」とは自署以外の方法で氏名を記載するもので、代筆、ゴム印、ワープロ印刷などです。
捺印は実印を用いないと不動産の名義変更や銀行手続きができません。
✔財産の表示方に注意してください。
不動産の所在地が普段使っている住所と登記簿記載のものでは異なる場合があります。
登記簿の表記にしてください。
銀行等金融機関は支店名、口座番号まで記入してください。
✔割印をします。
遺産分割協議書が複数枚になる場合は、法定相続人の実印で割印(契印)してください。
✔印鑑証明書を添付します。(相続人全員分)
✔相続人の人数分を作成する。
相続人が多い場合は、遺産分割協議書1通に多くの相続人が署名すると、全員の署名が集まるまでに時間がかかります。
遺産分割協議書1枚につき署名欄1つの遺産分割協議書を人数分作成するようにします。
✔相続人が海外に居住している場合
遺産分割協議書には相続人が実印を押印し、印鑑証明書を添付する必要がありますが、相続人の1人が海外に居住している場合、日本にある住民登録は抹消されているため、印鑑証明書は発行されません。そのため、原則として印鑑証明書に代わる署名(サイン)証明を遺産分割協議書に添付する必要があります。
2020年8月22日
兄の指示にしたがって相続手続きを完了しましたが、実は納得していません。一旦は完了した遺産分割をやり直すことはできますか?(三豊市・男性)
遺産分割の内容に納得がいかない場合、相続人全員の同意があればやり直すことができます。
ただし、やり直しが相続税の申告後の場合は金銭的な負担が大きくなってしまいます。
一度、申告して確定した相続財産を移動させることは「贈与」とみなされてしまうからです。
例えば、一旦は兄が取得した1,000万円を遺産分割のやり直しで弟が取得することになった場合、弟は275万円の贈与税を支払わなければなりません。
兄が相続税を支払っていれば、弟の贈与税と併せて税金の二重払いとなってしまいます。
✔初回60分無料相談実施中です。
三豊・観音寺・丸亀を中心に香川県内のご依頼・ご相談を承っています。
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