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香川県での相続 | 改正相続法 | 遺産分割に関する見直し

『改正相続法~遺産分割に関する見直し』について

改正相続法では遺産分割に関する見直しが行われます。
配偶者を保護するための方策として、「持ち戻し免除の意思表示の推定規定」や「預貯金の仮払い制度」が創設されました。

 

 

配偶者保護のための方策

 

相続人の中に、被相続人から遺贈を受けたり、または婚姻や養子縁組のため、もしくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、その贈与額を遺産の中に回復させて、その者の贈与額または遺贈額を算定した相続分から減少させ、相続人間の公平が図られています。
これが「特別受益制度」で、この遺贈または生前贈与を受けた相続人を「特別受益者」と呼び、特別受益を遺産の中に回復させることを「特別受益の持戻し」といいます。
生前に夫が妻に自宅を贈与したようなケースは、妻の居住のためで、生計の資本としての贈与といえます。
この贈与した自宅を相続財産に含めないようにするには、被相続人の夫が「持戻し免除の意思表示」をしていることが必要でした。具体的には、贈与契約書や遺言書に「生前に妻に贈与した自宅は、相続財産に算入せず、また妻の相続分から控除しないこととする。」などの記載があれば、妻の特別受益の持ち戻しはされないことになります。

特別受益者がいる場合の各相続人の相続分の算出方法

特別受益者がいる場合の各相続人の相続分については下記のように算出されています。
①被相続人が相続開始当時に有していた財産の価額に贈与の価額を加えたものを相続財産とします。(みなし相続財産)
 上記図では遺産の5,000万円に贈与されている自宅3,000万円を加えた8,000万円が相続財産となります。
②これを基礎として指定相続分または法定相続分の割合により各相続人の相続財産額を算出します。
 上記図では法定相続分で分割された場合、妻は1/2の4,000万円、子はそれぞれ1/4の2,000万円が相続財産額です。
③この相続財産額から特別受益額を控除した残額が特別受益者の相続分となります。
 上記図では妻の相続財産額4,000万円から特別受益となる自宅3,000万円を控除した残額1,000万円が相続分です。

現行法下では、遺産の預貯金額が少ない場合に生活資金としての現金が手元に残らず、やむを得ず自宅を売却して現金化しないといけないような事も起こりえます。

 

 

持戻し免除の意思表示の推定

改正された相続法では、高齢化社会の進展に伴い、高齢配偶者の生活保障という観点から「婚姻期間が20年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又はその敷地について遺贈または贈与をしたときは、当該被相続人は、その遺贈または贈与について持戻しの規定を適用しない旨の意思を表示したものと推定する。」との規定が創設されました。
これによって、生前贈与または遺贈された自宅については特別受益として扱わず、遺産分割の対象から外れることになり、配偶者の遺産分割における取得額が増えることになります。

なお、この場合に自宅を受け取った配偶者が亡くなったときの相続(二次相続)に発生する相続人の子らが負担する相続税については増額するケースがありますので注意が必要です。
(参考:二次相続した場合の相続税

 

持ち戻し免除適用の要件

①婚姻期間が20年以上の夫婦であること
長期間にわたり夫婦生活を続けている場合、一方の配偶者が築いた財産にはもう一方の配偶者の協力や貢献が深く関与していることが考えられます。
そのような状況にある夫婦が行った贈与や遺贈は、残された配偶者の老後の生活を保障して行われる事が多いためです。

②居住用不動産の贈与または遺贈がされたこと
居住用不動産は老後の生活保障には特に重要で、その贈与または遺贈は相手方配偶者の老後の生活保障を考慮して行われることが多いからです。

 

〈参考〉婚姻期間が20年以上の配偶者への居住用不動産の贈与の特例

婚姻期間が20年以上の夫婦で「居住用不動産」または「居住用不動産を取得するための金銭」を贈与する場合には、贈与税の基礎控除110万円のほかに、最高2000万円まで控除(配偶者控除)を受けることができる。(相続税法21条の6)

 

 

預貯金の仮払い制度

被相続人の預貯金は相続財産とされ、遺産分割が終わるまでは相続人全員の準共有状態にあって、葬式費用などについても家族が単独で引き出すことができませんでした。
改正相続法ではこれが見直され、遺産分割協議が終わっていなくても預貯金引出しが可能となりました。これには二つの方法があります。

①家庭裁判所への申立て
家事事件手続法の預貯金債権の仮分割の要件(これまでは事件の関係人の急迫の危険の防止の必要があること、という要件がありました。)が緩和され、家庭裁判所に仮分割の仮処分を申立てることによって、生活費や葬儀費用、相続税の納税資金などが必要な場合には、他の相続人の利益を害しない範囲で、家庭裁判所が預貯金の仮払いを認めることができるようになりました。

適用の要件

1 本案が継続していること
2 相続財産に属する債務の弁済、相続人の生活費の支弁等のために必要であること
3 申立権者は、遺産分割の調停、審判の申立人またはその相手方
4 他の共同相続人の利益を害しないこと

②家庭裁判所の判断が不要なケース
葬儀代や生活資金のために家庭裁判所へ申立を行わなければならないことは、相続人にとって大きな負担にもなることから、一定の上限を設けて預貯金の払戻しができるようになりました。各金融機関ごとに各共同相続人が払戻しできる金額は下記の計算式で求めます。

単独で払戻しをすることができる額=(相続開始時の預貯金債権額)×1/3×(当該払戻しを求める共同相続人の法定相続分)

例えば、預金残高が1,800万円のA銀行から相続人B(法定相続分は1/4)が払戻しを受ける場合
1,800万円×1/3×1/4=150万円となります。
なお、標準的な当面の必要生活費、平均的な葬式の費用の額、その他の事情を勘案して預貯金債権の債務者ごとに法務省令で定める額は150万円と規定されています。

 

 

遺産分割前に遺産を処分した場合の取扱い

(事例)
Aは、脳梗塞により死亡しました。相続人は妻Bと長男Cの2人です。Aの遺産は預貯金(1,000万円)と建物(評価額400万円)です。長男Cは、Aの死亡後に妻Bの同意を得ることなく、預貯金から500万円を払い戻しました。

遺産分割は、相続開始のときに存在し、かつ現存する遺産を対象とする手続きですので、相続開始の前後に、一部の相続人が無断で被相続人名義の預金口座から預貯金の払い戻しをしていても、遺産分割の対象となる遺産の対象とはなりませんでした。
この場合、相続開始後に他の相続人が遺産についての処分(預貯金の解約・払い戻しなど)を行った場合に、先に払戻しをした者との不公平が生じることになります。
そこで、次の要件を満たすときには、先に処分(預貯金の解約・払い戻しなど)された財産が、遺産の分割の際に存在したものとみなされ、処分された財産も含めて遺産分割することができるようになりました。

要件

①処分財産が相続開始時に被相続人の遺産に属していたこと
②処分財産を共同相続人の1人または数人が処分したこと
処分者以外の共同相続人全員が、その処分財産を遺産分割の対象に含めることに同意していること

上記事例の場合、妻Bは長男Cが払い戻した預貯金について、遺産分割の対象とすることに同意しなくても、これを遺産分割の対象にすることができます。

 

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