香川県での相続 | 相続時精算課税制度

『相続時精算課税制度』について

生前贈与をするときは2,500万円までは贈与税が非課税となり、贈与者が死亡して相続が発生したときに、その人の遺産に加えて過去に生前贈与した財産も一緒にして相続税の計算を行うものです。

 

 

相続時精算課税制度のしくみ

相続時精算課税制度は贈与税の特例制度です。
生前贈与は贈与税がかかり、相続税に比して控除の額も低くなっています。
また、相続税の納税は相続財産の分配後であるため、相続した預貯金から支出することができますが、生前贈与の場合は納税資金に困る場面もあります。
贈与する人が子のためにとしたことも、返って迷惑がかかることになってしまいます。
こうした背景から2003年に相続時精算課税制度が創設されました。

 

適用範囲

贈与する側は、60歳以上の父母または祖父母、贈与を受ける側は20歳以上の子や孫が対象です。
贈与される子や孫が自分で贈与税相続時精算課税か選択できることになっています。
この制度の選択には、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日に間に一定の書類を添付した贈与税の申告書を提出する必要があります。

 

評価は相続時でなく、贈与時

相続時精算課税制度は、相続のときに生前贈与分もまとめて税金を精算するものです。
注意が必要なのは、土地や建物などの不動産のように価値が変動する財産の贈与につき、相続時精算課税制度を利用した場合、相続時の評価額ではなく、贈与時の評価額で計算されることです。
そのため、贈与時より相続時の方が価値が低くなっているような場合でも、贈与時の高い価値で評価がされます。
不動産価格が高騰しているようなときには、よほど急いでいない限りは生前贈与を控えるのが税金面からは得策です。
反対に、これから不動産価格の高騰が予想される場合には、生前贈与には節税効果があります。

 

贈与税がかからないのは2,500万円まで

相続時精算課税制度には2,500万円の特別控除があり、同一の父母または祖父母からの贈与において、限度額までは何回の贈与でも控除の対象となります。
ただし、相続時精算課税制度を利用した場合は、贈与税の基礎控除(110万円)は利用できません。
贈与額が2,500万円を超えた場合には、超えた額に対して一律20%の贈与税が課税されます。
この贈与税は相続時に相続税額から差し引かれます。(贈与税額控除
相続時精算課税制度は選択制ですので、父からの贈与には利用するが、母からの贈与には従来の贈与(暦年課税)とすることも可能です。
ただし、一度選択したら取り消すことはできません

 

 

税額の計算例

1 親が子供に2,000万円贈与した場合
 この場合は贈与した金額は2,500万円以内なので贈与税はかかりません。

2 親が子供に3,000万円贈与した場合
 非課税となる2,500万円を500万円超過しています。
 500万円に対して20%の贈与税がかかります。税額は100万円です。

3 祖父母が孫に5,000万円贈与した場合
 非課税となる2,500万円を2,500万円超過しています。
 2,500万円に対して20%の贈与税がかかります。税額は500万円です。

 

 

相続時精算課税制度のメリット

1 多額の財産の贈与が当面、無税となる
 通常の暦年課税では年間110万円までしか贈与税が控除されません。
 相続時精算課税制度であれば、2,500万円までは無税ですので、当面に支払うべき税金を減らすことができます。

 5,000万円の贈与であれば、相続時精算課税制度を利用しない場合、
 (5,000万円-110万円)×55%-640万円=2,049万5,000円です(特例税率の場合)。

 相続時精算課税制度を利用した場合では
 (5,000万円-2,500万円)×20%=500万円、となります。

2 収益物件の贈与に利用しやすい
 家賃収入のある収益物件の場合、贈与しなければ賃料は遺産に加算されて相続税の課税対象が増加することになりますが、生前に贈与していれば、その後に発生する賃料は受贈者のものとなりますので、相続税対策として有効です。

3 贈与時の評価が低いうちの贈与は税金を節約できる
 相続時精算課税制度を利用した場合、後に相続税が課税されますが、その評価は贈与時における評価です。
 土地や株式などは、価格が下がっているときに生前贈与を行うと、節税できます。

 

相続時精算課税制度のデメリット

1 後から相続税が課税される
 相続時精算課税制度の最大のデメリットです。
 相続時精算課税制度を利用しても無税になるのではなく、贈与税相続税に変わり、支払い時期が伸びているだけなのです。
 相続時精算課税制度を利用したことによって、かえって多くの税金を支払うことになる場合があります。
 明らかに相続財産が相続税の基礎控除に収まるのであれば、十分なメリットがありますが、そうでない場合は大きな税金が発生する恐れがありますので、よく検討する必要があります。

2 贈与税の申告が必要
 相続時精算課税制度の利用には贈与税の申告が必要です。

3 小規模宅地の特例が利用できない
 相続時精算課税制度を利用すると、相続財産評価の減額制度である「小規模宅地の特例」が利用できないため、相続税の金額が上がる可能性があります。

4 暦年贈与が適用されない
 相続時精算課税制度を利用すると、通常の贈与税の基礎控除が適用されなくなります
 贈与税の基礎控除は年間110万円までの贈与が非課税になるものです。
 税金対策としてこの基礎控除枠を使って、生前贈与による相続税の課税対象資産を減らしていく暦年贈与は一般に行われていますが、相続時精算課税制度と暦年贈与は選択制となっていますので、一旦、相続時精算課税制度を利用することにした場合には、暦年贈与に戻すことはできません

 

暦年課税と相続時精算課税制度の比較

  暦年課税 相続時精算課税制度
税率 10%~55%(8段階の累進税率) 一律20%
贈与税の計算 (贈与額-110万円)×累進税率 (贈与額-2,500万円)×20%
適用条件 誰でも 贈与した年の1月1日時点の満年齢が60歳以上の父母または祖父母から子や孫への贈与
相続税との関係 相続税とは切り離して計算されます。
ただし、相続開始3年以内の贈与は相続税の課税価格に加算されます。
相続税の計算時に贈与税が精算されます。
このときの贈与財産の評価は贈与があった時の時価が用いられます。
節税効果 基礎控除の110万円は、毎年使え非課税です。 相続時に相続財産と合わせられる贈与財産の価額は、贈与したときの時価が用いられるので、相続のときに評価が上がることが見込まれる財産を贈与すると節税効果が高くなります。
制度の選択 暦年贈与から相続時精算課税制度への移行はいつでも可能です。 一度、相続時精算課税制度を選択すると、途中で暦年課税に変更することはできません。

 

相続時精算課税制度はどんなときにつかうの?

どんなときに相続時精算課税制度を使ったらいいのでしょうか。
ここでは3つのケースをご紹介します。

値上がりが確実に見込まれる土地や株式を所有している場合

これから再開発が予定されている地域や区画整理、拡張予定のある地域、鉄道や道路などのインフラ整備が新たに計画されている地域は開発や整備が完了すれば、地価の上昇が期待できます。
このような地価の上昇が確実に予測できる土地については、相続時精算課税制度を利用して、地価の安いうちに贈与しておくと節税効果があります。
相続が発生したときに地価が上昇していても、相続税の計算は贈与したときの安い価額でされます。

 

未上場の自社株を保有している場合

これは、現在の株価は1万円だが、これから先は自らが自信を持って経営して業績を伸ばしていくから、株価は将来1万円を超えるという場合です。
株価が1万円のときに相続時精算課税制度で贈与しておくと、相続時に株価が1万円を超える評価であっても1万円で計算されます。
株価が1万円を超えた分だけ、得になります。
ただし、反対に株価が下がった場合は損となります。

 

収益物件を贈与する場合

賃貸マンションや駐車場を保有して賃料収入などの収益がある場合に、贈与を行うとその後の収益は受贈者(贈与を受けた者)が受け取ることになります。
それによって、贈与者である父母または祖父母の財産は増えなくなりますので、相続税の対策となります。

 

以上、3つのケースをご紹介しましたが、この他にも将来相続税のかからない人や少しだけ相続税がかかりそうな人には、この相続時精算課税制度をお勧めできます。
例えば、3,500万円の財産があるAさんのお子さんがマイホームを購入することになって、1,000万円を援助してあげたいと考えました。
1,000万円をただ贈与した場合には、177万円の贈与税がかかります。
しかし、相続時精算課税制度を利用すれば、1,000万円を非課税で渡すことができます。
贈与後のAさんの財産は3,500万円から1,000万円を引いた2,500万円です。
将来、Aさんが亡くなって相続が発生したときには、2,500万円の財産に生前にお子さんに贈与した1,000万円を足した3,500万円で相続税を計算することになりますが,この3,500万円は基礎控除の範囲内なので相続税はかかりません。
このように、相続時に計算される財産の総額が、基礎控除額範囲内であるような方にとっては、この制度は大変有効です。

 

 

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